シンドローム(ハゲタカシリーズ)読みました。
今回も、企業買収者鷲津が大企業相手に買収取引を行います。
3.11がベースとなり、電力会社(作中は首都電力と表記)を買収する物語です。その中で、原子力発電所の事故、収束に向けた混乱、政府が右往左往するさまが描かれています。
ハゲタカシリーズは、NHKドラマや、2018年にテレビ朝日系列でドラマになったこともあり、ご存知の方もいるかもしれません。綾野剛くんのイケメン鷲津も良かったのですが、私としては、大森南朋氏のほうが原作のイメージ通りでよかったと思ってます。
このハゲタカシリーズは直接的なものいいが好きでシリーズ通して拝読させていただいています。また、ド派手なお金の使い方も読むとスカッとしますね。今回も累計数兆円使ったはずです。
主人公である鷲津という人物はとても魅力的であり好きですが、一緒に仕事したくないというのが本心ですね。深夜であろうと叩き起こされ、不要と思えば切り捨てられそうです。
読んでいて気になったのが、ハゲタカの世界には50Hz、60Hzの違いがなさそうに感じました。物語の都合上かもしれませんが。
真山先生は、社会的な問題を取り扱うことも多いようです。この作品を読んでエネルギー政策に関しての自分の考えが少し変わったかもしれません。
エネルギーを扱う技術士として、資源の少ないわが国においては、たとえ事故を起こしても原発を使わざるを得ないと考えていました。しかし、いくら消極的であっても、原因究明をしても、与える影響の大きさや社会的受容などを勘案すると、別方式への切り替えを積極的にすすめるべきとも考えるようになりました。
それも、このシンドロームに出てくる登場人物(被害者やそれを支援する人々)に感化されたからと思っています。
私など微力な存在ですが、これからのわが国におけるエネルギー政策に少しでも力になりたいと思いました。
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