読書日記 宝島 真藤順丈著
第9回山田風太郎賞受賞/160回直木賞受賞/第5回沖縄書店大賞受賞した宝島を読みました。
8月の暑く、いろいろと思いはせる時期に読み終えてしばらく放心しました。
第二次世界大戦敗戦後の沖縄を舞台にした、3人の少年少女がそれぞれ持った英雄観が交差する成長物語でした。沖縄返還までが描かれています。
主人公たち三人はそれぞれ故郷の島を想い警察官や日本復帰活動に参加する教師やテロリストになっていき物語を紡いでいきます。
史実にフィクションを絡めて物語を構成されているのですが、どこまでがフィクションでどこからが史実かわからないくらい継ぎ目のないストーリー展開でした。
現在まで続く米軍基地問題についても、戦後から返還までにいたる、市井における米軍兵士の犯罪やそれらに対する甘い処置なども描かれており、無知を知ることができました。
とてもおススメの作品です。あえて難を言えば、541ページという大作である点でしょうか。ぜひ手にとっていただければ幸いです。