読書日記 生涯投資家 村上世彰著
生涯投資家を読みました。
著者の印象的な一幕といえば、記者会見で「お金儲けは悪いことですか?」と発言されていたところでしょうか。
その村上氏の考え、わが国に対する思いを語った本作はとても興味深いものでした。
前半は、村上氏が投資家になり、活躍していた時代の話です。真山仁氏のハゲタカシリーズは大好きな小説なのですが、リアルなM&Aについて、当時の状況を村上氏目線で語られています。
後半は、逮捕、有罪判決後の取り組みについて語られています。日本の投資教育やNPO、NGOなどの取り組みですね。
ご本人の発言や考え方の是非については、さまざまな意見があるかと思いますが、一本筋の通った方で、不器用なんだなぁ。というのが私の感想です。
この本の中で「コーポレート・ガバナンスの浸透による資金の循環」を常に意識されており、当時の行動が、現在の政策(コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの制定など)にも少なからず影響を与えている。
この本を読んで、私は変革者がたどった道筋に触れたような気がしました。たとえるなら、現代日本のガリレオのように感じました。変革者を理解できる人間になっていきたいですね。