読書日記 バラ色の未来 真山仁著
カジノ贈収賄事件にゆれる中、バラ色の未来を読みました。
IR事業(統合型事業)は、イコールカジノと思われがちですが、その他、ホテルや国際会議場、レストランや劇場などを集めた施設群を言います。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ir_promotion/ir_kaigi/dai1/siryou4.pdf
国際会議や劇場などのエンターテイメント施設で集めた人が、カジノでも楽しみ、それぞれに経済効果を挙げる複合施設となってます。施設建設だけでも、経済効果ははかりしれないでしょう。先のURLでは、建設だけで約9300億円、運営で年間約5800億円(⽇本経済団体連合会調査結果)ととてつもない効果を挙げています。
本作は、その中でもカジノによる依存症と誘致における熱狂を記者、誘致候補地の首長、政府、IR誘致業者の目線で追っています。
真山さんの作品は、フィクションですが、事実を語っておられるので、何が良い悪いではなく、IR事業導入によるメリットデメリットをキチンと描かれておられます。そのため共感しやすく、勉強になります。
2017年発行ですが、現時点で読んでも違和感なく、現実社会に照らしながら読むととても面白いです。
インバウンド効果に期待しているわが国ですが、こういった施設は有効である反面、さまざまな問題もあるため、キチンと課題を抽出・解決しておくべきと考えます。