読書日記 medium(霊媒探偵城塚翡翠) 相沢沙呼著
ミステリは前情報を得たとき(読む前)、読んでる途中、そして読後にそれぞれおかしな点(著者が作り出したトリック)が無いか推測して楽しんでいます。本作は、読む前の段階でメインの筋書きが読めた数少ない作品です。
なぜ筋書きが読めたか。
ヒントは、帯と美少女霊媒師翡翠が描かれた表紙です。ぜひ楽しんでください。
推理作家の香月は数々の事件を解決に導いてきました。あるとき知り合った翠の眼をした霊媒師翡翠と出会い、霊媒の力をうまく導いて事件を解決していきます。
と書くとオカルト、SFチックに思われてしまうかもしれませんが、物語の中でも、霊が言ったことや見たことは証拠能力が無く、しかも翡翠が不思議な力を使えるタイミングも手探りで探しているため、その展開も面白いです。そしてその少しのヒントから、論理的な結論を導いていく香月が事件を解決します。
物語の中で、どんどん心を開く翡翠の言動がいちいち可愛らしく、ベタベタ甘々なところもあったり、高校を舞台に捜査しているときは、女子高生に制服を着させられたりと、私も大好きなライトノベル顔負けの展開でした。
著者の別の作品もあるようなので、他の作品も拝読したいと思います。