読書日記 闇の守り人 上橋菜穂子著
守り人シリーズ2作目、闇の守り人読みました。
前作の主人公バルサが故郷に戻るお話です。険しい山が連なるカンバルには、肥えた土地もなく、山羊と芋が主産業です。そして、冬には男たちが南に出稼ぎに出るという貧しい国です。しかし、そんな国がなんとか生きながらえてきた背景を語りつつ、バルサの中にある憎しみや恨みなどが語られます。そして、カンバルが抱える謎があきらかになったとき、バルサの負の感情が浄化されていきます。
人間であれば負の感情はどうしても抱いてしまいます。しかし、ストーリーに大きくかかわらなければ、感情を単純化する物語もある中、本作は実に丁寧に人物の感情を表現されています。そういった感情表現が本作の魅力だと感じました。