読書日記 老虎残夢 桃野雑派著
第67回江戸川乱歩賞受賞作品である、老虎残夢を読みました。
宋(南朝)時代を舞台とした、さまざまな設定が複雑に交錯する武侠ミステリです。
本作では、きちんと謎は解けたのですが、作者が練った話の筋に乗れてとても満足です。
時代背景に疎いので、史実と創作の違いがわからなかったのですが、その点は特に気になりません。ただ、回収しきれてなさそうな伏線がいくつかあったのが気になりました。
科学捜査などが無くても、事実と各人の発言のみで推理が進んでいくのも良いですね。
久しぶりに一気に読んでしまいました。
最後に江戸川乱歩賞の選考コメントに主人公カップルが同性である必然性が無いとありましたが、ここには反対意見です。百合はとても尊いもの、美しいものであると感じました。(あくまで個人の意見です)
次作にも期待しています。