古賀恭一郎の日記

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平成28年度 技術士一次試験 機械部門択一(2)すべての断面に一定の応力が作用する鉛直棒

平成28年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。

技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。

お役に立てれば幸いです。

JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用

技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。

中略

  • 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
 
問題2 下図に示すように, 天井から鉛直につり下げられた棒(長さL,密度ρ)の底面(B点)に軸荷重Pを作用させたとき,自重と軸荷重Pによって棒に生じる応力が全長にわたってσ0になるように横断面積を変化させる。このとき,上端(A部)における棒の横断面積として,最も適切なものはどれか。ただし,gは重力加速度とし, eは自然対数の底とする。

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技術士会問題抜粋
 
 
~~~~~~~~~~

 

技術士会の正答は、⑤でした。
 
まずは、B部の面積Abから、
 σ0=P/Ab
ですので、
 Ab=P/σ0
 
次に、B部から高さ方向にyの位置(任意の位置)を取ると、その断面Ayには、力σ0Ayがしています。
そしてさらに微小距離dy離れたy+dy部(断面積Ay+dAy)には、力σ0(Ay+dAy)が作用してます。
ここで、y~y+dy間の重量は、平均を取って、
  断面積:{Ay+(Ay+dAy)}/2
   体積:dy{Ay+(Ay+dAy)}/2 
 重量:ρg・ dy{Ay+(Ay+dAy)}/2 
となります。
力の関係から、
 σ0 dAy=ρg・ dy{Ay+(Ay+dAy)}/2 
 σ0 dAy=(ρg・ dyAy+ρg・ dyAy+ρg・ dydAy)/2
ここで、dy×dAyは極小値となるため無視します。
  σ0 dAy=(2ρg・ dyAy)/2
  dAy/Ay =ρg・ dy/ σ0
積分して、
  Ay =c×exp(ρg・ y/ σ0)
ここでcは積分定数で、y=0でAy=Abとなりますので、c=Abとなり、
  Ay = Ab ×exp(ρg・ y/ σ0)
y=LとAb= P/σ0 を代入して、
  Ay = P/σ0  ×exp(ρg・ L/ σ0)
 
と解答⑤に一致しましたね。
 
おもしろ話で理解する材料力学入門 P120~122を参照しました。
 
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。