平成28年度 技術士一次試験 機械部門択一(19) ダンパーとばねをもつ物体の現象
平成28年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題19 図1のように,水平面内の一方向のみに動くことができる質量mの物体がばね定数kのばねと粘性減衰係数cのダンパーを介して固定壁に結合されている。この物体に初期条件としてx方向に正の変位を与えて放したところ,物体の変位xは時間tに対して図2のように変化した。この現象に関する次の記述の, [ ]に入る語句及び式の組合せとして,最も適切なものはどれか。
このような振動現象を[ア]と呼び,粘性減衰係数cは, [イ]となるように設定されている。この場合の固有角振動数はダンパーを取り去った場合の固有角振動数[ウ] に対して [エ]。
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技術士会の正答は、④でした。
[ア]は不足減衰ですね。
ほかの、キーワードはそれぞれ、
過減衰
振動は起こらず、変位xはゼロに近づきます。
臨界減衰
臨界減衰係数(Cc=2√mk)よりも、cの値が小さい場合に、振動が始まります。
この状態を臨界減衰といいます。
[イ]は、上記臨界減衰より、
0より大きく、2√mkよりも小さい必要がありますね。
[ウ]の固有角振動数ωは、ω=(k/m)^0.5で表せますね。
[エ]運動方程式は以下のとおりですので、ダンパーによる力(減衰項)は速度と反対の向きになりますね。
mx”=-kx-cx’
これで、解答④と一致しましたね。
[エ]の回答は感覚的につかめそうですので、②or④に絞り込めそうです。
そうなれば、[ウ]の公式さえ覚えてれば、正答できますね。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。