平成28年度 技術士二次試験 総合技術監理部門択一(4)数理的手法
こんにちは、技術士(機械)の古賀恭一郎です。
問題4 経済性管理で用いられる数理的手法に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① 数理計画問題において,変数のとりうる値が連続的なものと整数など離散的なものとでは,一般には後者の方が解の候補が制限されるので解くのが容易である。 ② 所与の制約条件の下で複数の目的関数を最大化又は最小化するような多目的最適化においてパレート最適解を考える場合,最良解の決定は意思決定者の選好によらざるを得ない。
③ シミュレーションのためのモデルを構築する際には,スピーディーに意思決定できるよう,極力精緻なモデルを作成した上でモデルから得られた解答をそのまま実務に使うことが望ましい。
④ 日程計画におけるスケジューリングは,作業部署ごとの日程計画や作業順序の決定を通じて,納期日を決めるためのものである。
⑤ 数理計画問題をはじめとする最適化手法は,問題の構造など理論的な背景を理解するために必要な一方,現実の問題を解くために使用されることはなく,実用に供する解を得たい場合にはシミュレーションを用いる。
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技術士会の正答は、②でした。
①不適切です。青本P63に記載。連続的なものより整数のものでは、後者のほうが解くことがはるかに難しくなります。
③不適切です。青本P62に記載。「モデルから得られた解答をそのまま実務に使う」のではなく、モデルの妥当性などを検証し慎重に行う。また、「極力精緻なモデルを作成」すると、計算時間が増えるので、バランスを考える必要がありますね。
④不適切です。青本P33に記載。「投入日と納期日などのオーダを前提とし、作業部署毎の日程を設定すること」
⑤不適切です。青本P63に記載。現実的な問題を解くために使います。