平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一(16)重力で自由落下するおもりの加速度
平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題16 下図のように慣性モーメントI, 半径rの定滑車に質量の無視できる伸びないロープがまかれ, ロープの一端につけられたおもり(質量m)が重力によって落下するときの加速度として,最も適切なものはどれか。ただし,定滑車は摩擦なく回転し,定滑車とロープとの間にすべりはないものとする。また,重力は図のように下向きに作用し,重力加速度をgとする。
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技術士会の正答は、⑤でした。
質量mのおもりの並進運動の運動方程式は、おもりに作用する糸の張力をTとし、加速度v’とすると、
mv’=mg-T …(1)
定滑車の回転運動の運動方程式は、
Iω’=Tr …(2)
となる。そして、ロープの伸縮と滑車とロープに滑りが無いため、
v=rω → v’=rω’(幾何学的条件)
これらを連立させて解くと、
T=Iω’/r …(2)’
mv’=mg-Iω’/r …(1)’
ω’=v’/r
mv’=mg-Iv’/r^2
mv’+Iv’/r^2=mg
mv’r^2+Iv’r^2/r^2=mr^2g
mv’r^2+Iv’=mr^2g
v’(mr^2+I)=mr^2g
v’=mr^2g/(mr^2+I)
と、解答⑤と一致しましたね。
JSME機械工学のための力学 P84を参照しました。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。