平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一(3)トラス構造における軸力
こんにちは、技術士(機械)の古賀恭一郎です。
平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題3 下図に示すように, 3本の棒AD, BD, CDからなるトラス構造において, 棒BD はヤング率E1,,断面積 A1, 長さL1, 棒ADとCDは同じヤング率E2,同じ断面積 A2,同じ長さであり,左右対称である。また, 棒ADと棒BDのなす角度と棒CDと棒BDのなす角度は共にθである。D点に下向きの力Pが作用するとき, 棒BDに生じる軸力T1と棒 AD, CDに生じる軸力T2の組合せとして,最も適切なものはどれか。
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技術士会の正答は、⑤でした。
これは複雑ですね。材料力学が専門の方以外は、この問題を捨てるというのも選択肢だと思います。
BDにかかる引っ張り力をT1とし、AD・CDにかかる引っ張り力をT2とすると、節点Dに作用する鉛直方向の力のつり合いから、
2T2cosθ+T1=P … (1)
BDの伸びをδ1、AD・CDの伸びをδ2とすると変形の条件は、
δ2=δ1cosθ … (2)
各部材の伸びは、
δ1=T1・L/(A1・E1)
δ2=T2/(A2・E2)×L/cosθ
これらを式(2)に代入すると、
T2/(A2・E2)×L/cosθ=T1・L/(A1・E1)・cosθ
T2=T1・A2・E2/(A1・E1)・cos^2θ … (3)
(3)に(1)を代入すると、
2cosθ・T1・A2・E2/(A1・E1)・cos^2θ+T1=P
T1・(2・cos^3θ・A2・E2/(A1・E1)+1)=P
T1=P/{2・cos^3θ・A2・E2/(A1・E1)+1}
(わかりにくいですが、⑤のT1と同じです。)
(1)を変形して、
T1=P‐2T2cosθ
(3)を変形して、
T1=T2・A1・E1/(A2・E2・cos^2θ)
上式2つを合わせると、
P‐2T2cosθ=T2・A1・E1/(A2・E2・cos^2θ)
P=T2・A1・E1/(A2・E2・cos^2θ)+2T2cosθ
P・cos^2θ=T2・A1・E1/(A2・E2)+2T2cos^3θ
=T2{A1・E1/(A2・E2)+2・cos^3θ}
T2=P・cos^2θ/{A1・E1/(A2・E2)+2・cos^3θ}
(わかりにくいですが、⑤のT2と同じです。)
(何回か計算してみて、cos^2θをまとめたので、解答とあわずに悩みました^^;)
条件から、モデルを作り、式化することは、実業務でもあり得ると思いますので、できるに越したことはありません。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。