古賀恭一郎の日記

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平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一(4)剛体壁に固定された棒に発生する熱応力

こんにちは、技術士(機械)の古賀恭一郎です。
 
平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。

技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。

お役に立てれば幸いです。

JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。から引用

技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。

中略

  • 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
 
問題4 下図に示すように,長さがLの棒1と棒2が接合され, 剛体壁に取り付けられている。棒1と棒2の縦弾性係数をE1, E2, 断面積をA1, A2, 線膨張係数を α1,α2とする。棒の温度を微小量ΔT だけ上昇させたとき,棒1に発生する応力σ1として,最も適切なものはどれか。

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技術士会の正答は、①でした。
 
温度がΔT上昇したときに変形を抑えるために剛体壁からから反力R1、R2を受ける。
 
反力と温度変化による各棒の変形は、
 
 棒1=λ1=R1×L/(A1×E1)+α1×ΔT×L
 棒2=λ2=R2×L/(A2×E2)+α2×ΔT×L
 
ですが、剛体壁に抑えられているため、
 
 λ1+λ2=0
 
です。ここに式を代入すると、
 
 R1×L/(A1×E1)+α1×ΔT×L+R2×L/(A2×E2)+α2×ΔT×L=0
 
さらに、反力R1とR2は同じであるため、
 
 R1=R2=R
 
として、式を整理すると、
 
 R×A2×E2/(A1×A2×E1×E2)+R×A1×E1/(A1×A2×E1×E2)+ΔT×(α1+α2)=0
 
 R×(A1×E1+A2×E2)/(A1×A2×E1×E2)=-ΔT×(α1+α2)
 
 R=-(α1+α2)×(A1×A2×E1×E2)/(A1×E1+A2×E2)×ΔT
 
 ここで、棒1に作用する応力と反力の関係は、
 
 R=σ1×A1
 
 となり、これを上式に代入すると、
 
 σ1×A1=-(α1+α2)×(A1×A2×E1×E2)/(A1×E1+A2×E2)×ΔT
 
 σ1=-(α1+α2)×(A2×E1×E2)/(A1×E1+A2×E2)×ΔT
 
 と解答①と同じ形になりましたね。
 
 なかなか複雑な式でした。
 
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。