平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一(24) 蒸気の状態変化
平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題24
2942 kJ/kgのエンタルピーを持ち静止していた蒸気が、膨張することでエンタルピーが2622 kJ/kgになった。このときの蒸気の速度に最も近い値はどれか。
① 25 m/s
② 80 m/s
③ 250 m/s
④ 570 m/s
⑤ 800 m/s
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技術士会の正答は、⑤でした。
系の全エネルギーを単位重量あたりに換算すると、
e=h+w^2/2
となる。ここで、eは全エネルギー、hは比エンタルピー、wは速度です。
系の全エネルギーeは膨張前後で一定と考えると、
h0+w0^2/2=h1+w1^2/2
が成立します。ここで、添え字0は膨張前、1は膨張後を表します。
膨張前は静止していたため、w0=0です。それぞれの数値を入力すると、
2942 kJ/kg=2622 kJ/kg+w1^2/2
w1^2=2×(2942 kJ/kg-2622 kJ/kg)
w1={2×1000×(2942 J/kg-2622 J/kg)}^0.5
=800m/s
となりましたので、⑤が正解ですね。
別答案でも行いましたが、単位のみで整理しなおすと検算になってミスを防止できますよ。(kJ→Jを行わないと、①に誘導されちゃいます。)
(J/㎏)^0.5=(N・m/㎏)^0.5=(㎏・m/s^2・m/㎏)^0.5=(m^2/s^2)^0.5=m/s
と最終的に流速になりますね。
(kJ→Jを忘れると、おかしなことになります。)
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。