平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一(27) 逆カルノーサイクル
平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題27 庫内温度が-3.0℃の冷凍庫から,熱電素子冷却装置を用いて,気温27.0℃の周囲環境へ, 72Wの熱が放熱できるものとする。このとき必要となる最小電力に最も近い値はどれか。
① 0.80W
② 7.2W
③ 8.0W
④ 72 W
⑤ 80 W
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技術士会の正答は、③でした。
熱電素子冷却装置(ペルチェ素子?)の最大効率を、逆カルノーサイクルと見立てると、最大効率εCarnotは、
εCarnot=Tc/(Th-Tc)
ここで、
Th=273+27=300K
Tc=273-3=270K
を代入すると、
=270/30=9
さらに、効率を表す式は、
εCarnot=Q/P
P=Q/εCarnot
ここで、Pが電力消費量、Qが放熱量ですね。
=72/9=8.0W
と解答と一致しましたね。
ペルチェ素子の最大COPから計算するのかと思い四苦八苦しましたが、基本に戻ればよかったんですね。小手先の知識で何とかするのでは無く、技術的な課題が発生した場合は常に基本・原則に立ち帰ると良い結果を導けるといういい経験でした。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。