令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一(10)薄肉円筒圧力容器に生じる応力
令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題10 平均内径 d = 370 mm,肉厚 t = 2.5 mmの薄肉円筒圧力容器に内圧 p = 3.0 MPaが作用するとき、容器の両端から十分離れた円筒部分に生じる円周方向応力σθと軸方向応力σzの値の組合せとして,最も適切なものはどれか。
① σθ = 111MPa, σz = 55.5MPa
② σθ = 444MPa, σz = 222MPa
③ σθ = 222MPa, σz = 111MPa
④ σθ = 111MPa, σz = 222MPa
⑤ σθ = 55.5MPa, σz = 111MPa
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技術士会の正答は、③でした。
まずは、σzを求めます。
中空の円柱を引っ張る際の応力は、
σz=Fz/At
で求められます。
ここで、Fzは左右にかかる荷重ですね。
Fz=p×d^2×π/4
となります。
続いて、薄肉円筒の断面積Atは、
ここで、薄肉円筒の条件として、d≫tですので、二項は無視できます。
At=πdt+πt^2≒πdt
すると、σzは、
σz=p×d^2×π/4 ÷ πdt =dp/(4t)
=370×3/(4×2.5)=111MPa
ここでは、長さの単位が打ち消しあうので、「㎜」で計算してます。
換算ミスを引き起こすため、単位さえ自信があれば、こういったテクニックも使うと吉ですね。
次に、円周方向の応力σθは、
σθ=dp/(2t)
=370×3/(2×2.5)=222MPa
と③になりましたね。
平成29年度技術士一次試験 問題10とまったく同じ問題ですね。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。