令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一(35)半無限平板上に発達する境界層
令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題35 圧力こう配のない空気の一様流中で,流れに平行に置かれた半無限平板上に発達する境界層に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 境界層の特性を表現するために,粘性作用による流量の欠損を表す排除厚さや運動量の欠損を表す運動量厚さが用いられる。
② 平板の前縁から発達する層流境界層では,その厚さδ が近似的に δ ≈ 5.0(vx/U)^0.5 と表される。ただし,xは平板先端からの距離であり,空気はxの正方向に流れている。
また,流れ方向速度をU,動粘性係数をvとする。
③ 層流境界層は,平板に沿った流れ方向に次第に厚くなり,臨界レイノルズ数を超えると,乱流境界層となる。
④ 境界層の厚さは,速度が一様流の90%に達する位置で定義される。
⑤ 乱流境界層内には壁面の影響が著しい壁領域(内層)があり,内層はさらに3つの領域から成り,壁面側から粘性底層,緩和層(バッファ層),対数層(対数領域)と呼ばれる。
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技術士会の正答は、④でした。
①適切です。そのほか、エネルギー厚さなどもあります。
③適切です。層流境界層は下流にいくにしたがい、成長します。
臨界レイノルズ数は定数があるわけでは無く、条件に応じて幅をもっていることに注意してください。
④境界層の厚さは、物体表面から一様流(主流)速度の99%になる位置と定義されています。
JSME流体力学 P147参照。
そのため、不適切ですね。
⑤適切です。内層・外層に分かれており、内層は境界層の15~20%程度です。
いっぽう、緩和層・対数層の記述は手元のテキストで見つけられませんでしたが、
の先にわかりやすい説明がありましたので、リンクを載せておきます。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。