令和元年度 技術士一次試験(再) 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題26 外径 ri, 長さ L の金属円管を保温のため熱伝導率 k の断熱材で覆った。断熱材の 内径は ri, 外径は ro とする。断熱材外表面から外気への熱伝達率を hとするとき,周囲へ の熱損失 Q を求める式として,最も適切なものはどれか。ただし,金属円管外表面温度 と断熱材内表面温度はともに Ti であり,外気温度は T∞とする。また,選択肢中の対数は 自然対数である。
技術士会問題抜粋
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技術士会の正答は、②でした。
断熱材を通過する熱量Qを求めます。求める式は、
Q=KAΔT
です。Kは熱通過率、Aは伝熱面積ですが、このとき断熱材内外の面積が異なるため、それを考慮する必要があります。
一般的には、熱伝導率kと熱伝達率hを合成した熱通過率Kは、
1/K=x/k+1/h
となります。また、円筒を通過する伝熱量Qは、半径方向の位置によらず一定ですので、熱伝導部は、
1/k・ln(r0/ri)
また、断熱材部から外気への熱伝達部は、
1/(ro・h)
組合せて、
Q=2πL(Ti-T∞)/{1/k・ln(r0/ri)+1/(ro・h)}
と解答②に一致しましたね。
JSMEテキストシリーズ伝熱工学P33を参照しました。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。