平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一(21)ばねと滑車とおもり
平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題21 下図のように, ばね定数kのばね, 半径a, 質量Mの円板状の滑車, 質量mのおもり,及び質量が無視できるひもから成る系がある。このおもりは, つりあいの位置を中心に上下に振動することができる。このときの周期として,最も適切なものはどれか。ただし,滑車とひもの間にはすべりがないとする。
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技術士会の正答は、④でした。
おもりの運動方程式は、
mx”=mg-T
T=mg-mx” …(1)
とあらわせる。ここで、Tはひもにかかる鉛直方向の張力、xは変位で、x”はおもりの加速度である。
滑車の運動方程式は、
(T-kx)a=Jθ”
となります。ここで、kxは、ひもにかかる水平方向の力(ばねの力)、Jは慣性モーメント、θ”は、角加速度。
滑車とひもの間に滑りが無いため、鉛直の変位と滑車の回転は同じとなりますので、
θa=x
が成立します。
θ”a=x”
ともなりますね。これを滑車の運動方程式に代入し、
(T-kx)a=Jx”/a
(T-kx)a^2=Jx”
となります。
次に、円板の慣性モーメントJは、
J=1/2Ma^2
であらわせますので上の式に代入すると、
(T-kx)a^2=1/2Ma^2x”
(T-kx)=1/2Mx”
ここで、式(1)を代入すると、
(mg-mx”-kx)=1/2Mx”
1/2Mx”-mx”=mg-kx
(1/2M-m)x”=mg-kx
x”=mg/(1/2M-m)-kx/(1/2M-m)
ここで、右辺第二項が、ω^2を表す式となりますので、
ω={kx/(1/2M-m)}^0.5
周期は2π/ωで表しますので、
2π・{(1/2M-m)/kx}^0.5
と、解答④に一致しましたね。
(正直、右辺第二項が~の部分はあまり自信がありません。)
JSMEテキストシリーズ振動学P6~7を参照しました。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。