平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一(35)円管内の流れ
こんにちは、技術士(機械)の古賀恭一郎です。
平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
平成29年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題35 入口と出口の圧力差が一定に保たれている内径Dの円管内部の流れを考える。流量Qと円管内径D及び流体の粘性係数nの関係に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。ただし, 円管内の流れは十分発達した非圧縮定常流れとし, 層流状態であるとする。
① Qは, Dの1乗に比例し, μに反比例する。
② Qは, Dの2乗に比例し, μ に反比例する。
③ Qは, Dの4乗に比例し, μに反比例する。
④ Qは, Dの2乗に比例し, μの2乗に反比例する。
⑤ Qは, Dの2乗に比例し, μ に依存しない。
~~~~~~~~~~
技術士会の正答は、③でした。
円管内の圧力損失の式は、
ΔP=f・L/D・ρV^2/2
となり、fは管摩擦係数で層流の場合、64/Reとなります。
Lは管長さ、Dは内径、ρは流体の密度、Vは流速です。
さらに、Reはレイノルズ数で
Re=ρVD/μ(おぉ問題24と表現が異なりますね。許してください。^^;)
となります。これらを圧力損失の式に代入すると、
ΔP=64・μ/ρVD・L/D・ρV^2/2
=32・μ・L・V/D^2
ここで、流速Vで整理すると、
V=ΔP・D^2/(32・μ・L)
本問題に関係ない、「32」と「L」、一定に保持されている「ΔP」を除外すると、
V∝D^2/μ (∝は比例ですね。)
流量Qは、
Q=V×A=V×D^2×π/4
となり、今回に関係ない「π/4」を除外しつつ、Vを代入すると、
Q∝D^2/μ×D^2
∝D^4/μ
と③の解答と同じになりましたね。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。