古賀恭一郎の日記

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令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一(3)複合材料における熱伸び

令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。

技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。

お役に立てれば幸いです。

JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用

技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。

中略

  • 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
 
問題3 下図に示すように,円柱(長さL,断面積 A1 , 縦弾性係数E1, 線膨張係数 α1,) と 円筒(長さL,断面積 A2, 縦弾性係数 E2 , 線膨張係数 α2)を同軸で組合せて,両端を剛体板で接合している。円柱と円筒の両方に応力が生じていない状態から,温度が Δt だけ上昇したとき,円柱と円筒の伸び量 ΔL として,最も適切なものはどれか。 ただし,α1 < α2 とし,円柱と円筒の半径方向の変形は無視できるものとする。
 

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技術士会問題抜粋
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技術士会の正答は、④でした。
 
組合せ棒の力の釣り合いから、外力は作用しないので、
 σ1A1+σ2A2=0
 
また、伸び量Δlは、熱膨張の変位(第1項)と熱応力の変位(第2項:引張荷重と同じ)がありますので、
 ΔL=α1ΔtL+σ1・L/E1=α2ΔtL+σ2・L/E2
 
σ1を上の二つの式から整理して代入すると、
 σ1=-σ2A2/A1
 
α1ΔtL+σ1   ・L/E1=α2ΔtL+σ2・L/E2
α1ΔtL-σ2A2/A1・L/E1=α2ΔtL+σ2・L/E2
σ2/E2+σ2A2/(A1・E1)=α1t-α2t
σ2{1/E2+A2/(A1・E1)}=(α1-α2)Δt
σ2{A1・E1/(A1・E1・E2)+A2・E2/(A1・E1・E2)}=(α1-α2)Δt
σ2(A1・E1+A2・E2)/(A1・E1・E2)=(α1-α2)Δt
σ2=A1・E1・E2・(α1-α2)Δt/(A1・E1+A2・E2)
 
そして、このσ2を下の式に代入すると、
 
ΔL=α2ΔtL+σ2・L/E2
 =α2ΔtL+A1・E1・E2・(α1-α2)Δt/(A1・E1+A2・E2)・L/E2
 =α2ΔtL+A1・E1・E2・(α1-α2)ΔtL/{E2(A1・E1+A2・E2)}
 =α2ΔtL+A1・E1・(α1-α2)ΔtL/(A1・E1+A2・E2)
 =(A1・E1+A2・E2)・α2ΔtL/(A1・E1+A2・E2)+A1・E1・(α1-α2)ΔtL/(A1・E1+A2・E2)
 ={(A1・E1+A2・E2)・α2+A1・E1・(α1-α2)}ΔtL/(A1・E1+A2・E2)
 =(A1・E1・α2+A2・E2・α2+A1・E1・α1-A1・E1・α2)ΔtL/(A1・E1+A2・E2)
 =(A2・E2・α2+A1・E1・α1)ΔtL/(A1・E1+A2・E2)
 
と、解答④に一致しましたね。
基礎材料力学P26~27を参照しました。
 
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。