検察側の罪人 雫井脩介作
こんにちは、古賀恭一郎です。
映画にもなっており、現在公開中の検察側の罪人 読みました。
「正義」がテーマとなっているこの物語ですが、「一線を、越える。」
の意味は、ぜひ本を読まれるか、映画を観てくださいね。
物語は、
・時効となった重犯罪が過去にあり、その被害者と懇意にしていた主人公の一人(映画では木村さん)が自分の信じる「正義」のために検事生命を賭します。
・一方、若手検事である主人公のもう一人(映画では二宮さん)が若さから「正義」を貫こうと奮戦しますが、結局振り回されてしまいます。
・検察における不祥事が取り挙げられ、それを暴くというわかりやすい「正義」の構図を斜め横から展開されます。
といった点について進められていきます。
長く組織にいる私も、若い人間の「正義」や「倫理」感と現状のギャップを取り除きつつ、倫理違反を起こさない組織作りに腐心しております。
その中でも、製品の「コスト」(経済性管理面)や「安全性」(安全管理)と「倫理」感を天秤にかけることもあり、そのバランス感覚に四苦八苦しているのが現状です。
当然倫理を重視することが重要ですが、その中で「社会受容」というものも考慮せねばなりません。簡単にはいきませんね。
組織の中のひとりとして、正義と倫理観について考えさせられる物語でした。
この嘘がばれないうちに 川口俊和作
この嘘がばれないうちに読みました。
「コーヒーが冷めないうちに」の続編です。
嘘は、人を傷つけるものも、人を救うものもあると思いますが、
嘘を吐いた側は、それなりに罪悪感を感じるものですよね。
その吐いた嘘を優しく包み込む物語でした。
幸せとは何か?も考えさせられました。
私も幸せになりたい。と強く思うことができましたね。
オペレーションZ 真山仁作
オペレーションZ読みました。
国債発行残高が864超円を見込まれており、万が一国債の利息が支払えなくなったり、元本を返せなくなった場合、債務不履行となります。
すると、通貨(円)の価値が暴落してしまいハイパーインフレが発生してしまいます。
我が国の財政事情 平成29年12月財務省主計局
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2018/seifuan30/04.pdf
これらの事象を想定して、財務省や政府関係者と奮闘する物語です。
歳出削減の主なターゲットは、リンク先スライド7枚目にある「社会保障関係費」と「地方交付税」です。また歳入増のためには、消費税30%や独身税などの案が浮上しています。現実に採用されたことを想定するとゾッとしますよね。
物語は、
・債務不履行になった場合の想定
・諸外国の反応(救済措置がまったく無い)
・現在のワーキングプアなどの悲惨死
・社会保障関係費削減による社会的弱者の切り捨て(これは、後半に否定されてますが)
など、フィクションだとしても、悲劇が容易に想像できそうな物語でした。
危機感があおられたと言ってもいいのではないかと思います。
サーチインサイドユアセルフ チャディー・メン・タン著
サーチインサイドユアセルフ読みました。
勤め先でマインドフルネスの研修があり、その時に紹介されたので、一度手に取ってみました。
瞑想によって、心を鍛えることができるという点、気に入っています。
さっそく、朝晩の一日二回マインドフルネス瞑想を続けており、スッキリした気分を味わうとともに、少なくとも集中力がじわじわ向上しているように感じます。
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読書日記 AX 伊坂幸太郎著
AX読みました。
暗殺者 兼 お父さんが主人公の物語です。
お父さんの気持ちが切々と伝わってきます。
暗殺稼業が焦点ではなく、「お父さん」にスポットライトが当たっており、少しコミカルでありつつ、張った伏線はきちんと回収されてモヤモヤすることがありません。
P312 全5編からなる物語です。2018年本屋大賞にもノミネートされるのも納得ですね。