令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一(1)段付き丸棒の弾性ひずみエネルギー
令和元年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題1 下図に示すように,段付き丸棒の上端を天井に固定して鉛直につり下げた状態で,下端に軸荷重Pが作用するときに,段付き丸棒に蓄えられる弾性ひずみエネルギーU として,最も適切なものはどれか。ただし,太い丸棒の直径を 2d , 長さをL,縦弾性係数をE, 細い丸棒の直径をd, 長さをl, 縦弾性係数をEとする。なお,段付き丸棒の自重は考慮しないものとする。
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技術士会の正答は、①でした。
単純なdの丸棒で考えると、弾性ひずみエネルギーUは、
U=Pλ/2
ここで、λは棒の伸びです。
またλは、
λ=PL/(AE)
ですね。Aは断面積です。
λを代入すると、
U=P/2 × PL/(AE)
=P^2・L/(2AE)
本問題は上下それぞれの丸棒が持つ弾性ひずみエネルギーの和を
求める式と考えられますので、 上と下の断面積をそれぞれA1とA2とすると、
U= P^2 ・L /(2A1E)+ P^2 ・L /(2A2E)
A1=(2d)^2・π/4=πd^2
A2=d^2・π/4
代入して、
U = P^2 ・L /(2E πd^2 )+ P^2 ・L /(2E d^2・π/4 )
= P^2 ・L /(2E πd^2 )+ 2P^2 ・L /(E π d^2 )
= P^2 ・L /(2E πd^2 )+ 4P^2 ・L /(2E π d^2 )
=5P^2 ・L /(2E πd^2 )
と解答①に一致しましたね。
基礎材料力学P133~134を参照しました。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。