古賀恭一郎の日記

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令和元年度 技術士一次試験(再) 機械部門択一(30)U字管マノメータ

令和元年度 技術士一次試験(再) 機械部門択一問題の解答解説です。

技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。

お役に立てれば幸いです。

JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用

技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。

中略

  • 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
 
問題30 下図に示すように、断面積28 cm^2と7.0 cm^2の管がつながれた水平管の中を水が流れている。水銀を入れたU字管マノメータを取付けたところ,左右の水銀柱の高さの差 H が3.0 cmとなった。このとき,水平管を流れる水の体積流量 Q として,最も近い値 はどれか。ただし,水と水銀の密度をそれぞれ1.0×10^3 kg/m^3, 1.4×10^4 kg/m^3, 重力加速度を9.8 m/s^2とし,損失は無視する。

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技術士会問題抜粋
① 0.5 L/s ② 1.0 L/s ③ 1.4 L/s ④ 2.0 L/s ⑤ 5.0 L/s
~~~~~~~~~~

 

技術士会の正答は、④でした。
 
まずは、単位換算です。
 H=3.0cm=3×10^-2m
断面積はそれぞれ、Ai=28×10^-4m^2とAo=7×10^-4m^2ですね。
 
左右のバランスが取れてますので、ベルヌーイの式から、
 1/2ρAVi^2+ρAghi+Pi=1/2ρAVo^2+ρAgho+Po
ここで、高さは一致しているため、hi=hoとなります。ρAは水の密度です。
 1/2ρAVi^2+Pi=1/2ρAVo^2+Po
次に、マノメータ前後は、
 Pi+ρAgH=Po+ρHgH
ここで、Hは水銀マノメータの差、ρHは水銀の密度です。
上式から下式を引くと、PiとPoがなくなり、
  1/2ρAVi^2-ρAgH= 1/2ρAVo^2 -ρHgH
となります。また、流量は一定ですので、
 Vi=Q/Ai 、Vo=Q/Ao
ですので、Vo=Vi・Ai/Aoを代入すると、
  1/2ρAVi^2-ρAgH= 1/2ρA(Vi・Ai/Ao)^2 -ρHgH
  1/2ρAVi^2-1/2ρA(Vi・Ai/Ao)^2=ρAgH -ρHgH 
  Vi^2-(Vi・Ai/Ao)^2=(ρA -ρH)gH・2/ρA
  Vi^2・Ao^2/Ao^2Vi^2・Ai^2/Ao^2=2gH・(ρA -ρH)/ρA
  Vi^2Ao^2Ai^2)/Ao^2=2gH・(ρA -ρH)/ρA
  Vi^2=2gH・(ρA -ρH)・Ao^2/{Ao^2Ai^2)・ρA}
代入すると、
  Vi^2=2・9.8・3×10^-2・(1.0×10^31.4×10^4)・(7×10^-4)^2/[{7×10^-4)^228×10^-4^2}・1.0×10^3
  Vi^2=0.588・(1.3×10^4)・(49×10^-8)/[{49×10^-8)-784×10^-8}・1000 ]
  Vi^2=0.588・(1.3)・(49×10^-4)/(-735×10^-8・1000)
  Vi^2=-37.4556×10^-4/(-735×10^-5
  Vi^2=0.05096×10^1
  Vi=0.7139m/s
 
 Q=Vi×Ai
ですので、
 Q=0.7139×28×10^-4
  =0.0019988m^3/s
    =1.9988L/s≒2L/s
 
と解答④に一致しましたね。
 
平成28年度 一次試験問題31と類似ですね。

 

kyoichirhokogajpemecha.hateblo.jp

 

 一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。

頑張ってください。