平成30年度 技術士二次試験 機械部門択一(4)各種材料の熱応力比較
こんにちは、技術士(機械)の古賀恭一郎です。
平成30年度 技術士二次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
2019年度以降は、択一試験が無くなりますが、キーワードは覚えておいて損はないですよ。
問題4 両端が断熱剛体壁に固定され軸方向の伸縮が拘束されている弾性真直棒がある。ここで,真直棒の温度を一様にΔT=20K低下させた。この温度変化により,最も大きな熱応力が生じる条件として,次のうち最も適切なものはどれか。ただし、低炭素鋼のヤング率は206GPa,線膨張係数は11×10^-6K^-1,ステンレス鋼のヤング率は197GPa,線膨張係数は17×10^-6K^-1,アルミニウム合金のヤング率は69GPa,線膨張係数は24×10^-6K^-1とする。
① 低炭素鋼製で横断面積Aかつ長さL
② 低炭素鋼製で横断面積Aかつ長さ2L
③ 低炭素鋼製で横断面積2Aかつ長さL
④ ステンレス鋼製で横断面積Aかつ長さ2L
⑤ アルミニウム合金製で横断面積2Aかつ長さL
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技術士会の正答は、④でした。
熱応力σ=E×α×ΔTとなります。
ここで、E=ヤング率、α=線膨張係数です。
定性的な比較でかつすべての材料特性の単位が統一されてますので、
そのまま掛け算すれば求まりますね。さらに、ΔTは固定なこと、線膨張係数も10^-6部分は同じであることから無視します。
これは計算に入れるとややこしいことと、計算ミスを呼び込みためです。
①=②=③=206×11=2266
ここで、断面積も長さも関係ないため、①②③はすべて同じ熱応力となります。
④=197×17=3349
⑤=69×24=1656
この結果から、最も大きくなる④が正解ですね。(3349という数値自体に意味はありません。)