令和元年度 技術士一次試験(再) 機械部門択一(5)鋼材の断面係数の比較
令和元年度 技術士一次試験(再) 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題5 下図に示すように,材質と長さが同一である2本の長方形断面の片持ちはりA(断面:高さh,幅2b,図(a))と片持ちはりB(断面:高さ2h , 幅b,図(b))の先端に,同一の荷重Pが作用している。片持ちはりAとBのそれぞれに生じる最大曲げ応力σAとσb の比σA:σbとして,最も適切なものはどれか。ただし、高さh,幅bの長方形断面のはりの断面二次モーメントはbh^3/12 である。
① 2:1 ② 4:1 ③ 6:1 ④ 1:2 ⑤ 1:4
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技術士会の正答は、①でした。
はりの曲げ応力に必要なのは、断面二次モーメントではなく、断面係数です。
これは引っ掛けなのでしょうか?それとも式を展開して算出することを求めているのでしょうか?
長方形の断面係数は、縦をh、横をbとすると、
Z=bh^2/6
です。そして曲げ応力は、曲げモーメントをMとすると、
σ=M/Z
となります。
式を整理しておくと、
σ=6M/bh^2
となります。6Mは両式で一定ですので、
σ∝1/bh^2
ですね。図(a)と図(b)の形状をそれぞれ適用すると、
σA∝1/2bh^2
σB∝1/b(2h)^2=1/4bh^2
つまり、
σA : σb
=1/2bh^2 : 1/4bh^2
=2bh^2 : bh^2
=2 : 1
と解答①に一致しましたね。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。