古賀恭一郎の日記

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平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一(11)フィードバック制御系の零点と極

平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。

技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。

お役に立てれば幸いです。

JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用

技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。

中略

  • 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
 
問題11 伝達関数 P(s) で表される制御対象に対して, コントローラK(s)を考える。下図のようなフィードバック制御系の零点と極の組合せとして,最も適切なものはどれか。
ただし,P(s)とK(s) は,それぞれP(s)=1/(s+2), K(s) =4/(s+3)で表されるものとする。
また, j=(-1)^0.5とする。

f:id:kyoichirhokogajpemecha:20190223151600p:plain

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技術士会の正答は、②でした。
 
制御出力と目標値の関係は、
 Y(s)=W(s)U(s)
ただし、
 W(s)=P(s)K(s)/{1+P(s)K(s)}
とあらわせます。
ここで、P(s)とK(s)をそれぞれ、
 P(s)=B1(s)/A1(s)
  K(s)=B2(s)/A2(s)
と表現すると、
 W(s)=B1(s)/A1(s)・B2(s)/A2(s)/{1+B1(s)/A1(s)・B2(s)/A2(s)}
    =B1(s)・B2(s)/[A1(s)・A2(s)・{1+B1(s)/A1(s)・B2(s)/A2(s)}]
    =B1(s)・B2(s)/[A1(s)・A2(s)・{1+B1(s)・B2(s)/(A1(s)・A2(s))}]
    =B1(s)・B2(s)/{A1(s)・A2(s)+B1(s)・B2(s)}
を得ます。
ここで、分母の多項式の根を極、分子の多項式の根を零点と呼びます。
極=A1(s)・A2(s)+B1(s)・B2(s)
それぞれ、対応する数値を代入していきます。
 =(s+2)(s+3)+1・4
 =s^2+5s+10
 根は、
 s={-5+(5^2-4・1・10)^0.5}/2
  ={-5+j(15)^0.5}/2
 
零点=B1(s)・B2(s)
それぞれ、対応する数値を代入していきます。
   =1×4
   =4
となりますので、sの根はありませんね。
この結果から、解答②と一致しましたね。
 
JSMEテキストシリーズ制御工学P67を参照しました。
 
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。