平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一(34)境界層の運動量厚さ
平成30年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。
技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。
お役に立てれば幸いです。
JABEE |一般社団法人 日本技術者教育認定機構|世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。から引用
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。
中略
- 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
問題34 固体壁近傍に発達する境界層について考える。境界層厚さを6,境界層外縁の一様流速をU, 壁面垂直方向をyとし,境界層内の速度分布u(y)が、
u=U(y/δ)^(1/7)
で与えられるとする。δ=40 [mm] のとき,運動量厚さの値として最も近い値はどれか。
① 5.0 mm
② 5.7 mm
③ 3.9mm
④ 40 mm
⑤ 4.4mm
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技術士会の正答は、③でした。
運動量厚さθは、
θ=1/(U^2)∫u(U-u)dy(積分範囲はδ~0)
速度分布を代入すると、
θ=1/(U^2)∫U(y/δ)^(1/7){U-U(y/δ)^(1/7)}dy
=1/(U^2)∫U(y/δ)^(1/7)×U{1-(y/δ)^(1/7)}dy
積分しないUを前に出すと、
=∫(y/δ)^(1/7)×{1-(y/δ)^(1/7)}dy
=∫{(y/δ)^(1/7)-(y/δ)^(2/7)}dy
ここで、∫X^(1/7)dxの場合の解を求めておきます。(どちらかというと私のためです^^;)
∫X^(1/7)dx=1/(1/7+1)X^(1/7+1)+C (Cは積分乗数)
=7/8X^(8/7)+C
ついでに
∫X^(2/7)dx=7/9X^(9/7)+C
θ=∫{(y/δ)^(1/7)-(y/δ)^(2/7)}dy
=7/8δ^(8/7)・(1/δ)^(1/7)-7/9δ^(9/7)・(1/δ)^(2/7)-{7/8・ゼロ^(8/7)・(1/δ)^(1/7)-7/9・ゼロ^(9/7)・(1/δ)^(2/7)}
ここで、
7/8δ^(8/7)・(1/δ)^(1/7)=35
7/9δ^(9/7)・(1/δ)^(2/7)=31.11
右の{ }で囲まれた部分はゼロですね。
θ=35-31.11=3.888≒3.9
と③と一致しましたね。
この計算式を当日電卓で対応できる自信はありません。
何かもっと良い手段があるかもしれませんね。
一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
頑張ってください。