平成２８年度 技術士一次試験 機械部門択一(25)理想気体の状態変化

平成２８年度 技術士一次試験 機械部門択一問題の解答解説です。

技術士一次試験だけでなく、JABEE認定大学の機械工学科の皆さんにも活用できる内容になっていると思います。

お役に立てれば幸いです。

JABEE ｜一般社団法人 日本技術者教育認定機構｜世界で通用する技術者」になるための学びが、ここに。 から引用

技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する非政府系組織です。“教育プログラム”は認定の対象とする教育の主体のことで、通常、工学・農学・理学系の学科あるいは学科内のコースに対応します。

中略

• 認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。

 

問題25 理想気体1.00 kgを一定圧力(等圧変化)の下でt1＝－62.3[℃] からt2＝300 [℃] まで加熱した。このとき,(ア) エンタルピーの変化量 ΔH, (イ) 内部エネルギーの変化量 ΔU,(ウ)加えられた熱量Q,(エ)エントロピーの変化量 ΔS の組合せとして、最も適切なものはどれか。ただし,理想気体の定圧比熱はcp=1.01 [kJ/kgK], 定容比熱はcv=0.720[kJ/kgK] とする。なお, 自然対数の底eは約2.72である。

 

①　(ア)366 kJ  (イ) 261 kJ (ウ) 366 kJ　(エ) 1.01 kJ/K

②　(ア)1.01 kJ (イ) 261 kJ (ウ) 366 kJ　(エ) 366 kJ/K

③　(ア)366 kJ  (イ) 366 kJ (ウ) 261 kJ　(エ) 0.72 kJ/K

④　(ア)366 kJ  (イ) 261 kJ (ウ) 627 kJ　(エ) 105 kJ/K

⑤　(ア)366 kJ  (イ) 261 kJ (ウ) 627 kJ　(エ) 105 kJ/K

 

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技術士会の正答は、①でした。

 

等圧変化ですので、(ア)＝（ウ）となります。

 

（ウ）熱量Q＝（t2－t1）×1.00㎏×cp（等圧変化ですから）

　　　　　 ＝（300－（-62.3））×1.00×1.01＝365.9≒366kJ

 

こでがわかった時点で、解答①の選択肢になりますね。

 

（イ）内部エネルギーΔU

　　　ΔU＝∫cvdT

　　　　 ＝（t2－t1）×1.00㎏×cv

　　　　 ＝（300－（-62.3））×1.00×0.72＝260.9≒361kJ

 

（エ）エントロピー変化ΔS

　　　ΔS＝cp・ln（t2/t1）－R・ln（p2/p1）

　　　等圧変化ですので、P2/P1＝1となり、ln（P2/P1）は0です。

　　　ΔS＝1.01・ln{（273＋300）/（273－62.3）}

　　　　 ＝1.01・ln（573/210.7）

　　　　 ＝1.01・ln2.72

　　　底eが2.72ですのでln2.72＝1

　　　ΔS＝1.01kJ

 

と解答①に一致しますね。

 

一次試験は、とにかく過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。

頑張ってください。